若者はなぜ、農山村に向かうのか

『若者はなぜ、農山村に向かうのか』

これは農文協さん出版のある本のタイトルだが、確かに今、若者は農山村に向かってくる傾向にあると思う。

農水省の『田舎で働き隊』だとか厚労省の『農林漁業をやってみよう』だとか、国がなぜか(ムフフ)農山漁村を活性化しようとしているのも1つの理由だが、それだけではなさそうだ。

『若者はなぜ、農山村に向かうのか』の中ではその理由をこう書いている。

人は、だれでもよりよく生きたいと思う。そして、自らの労働をとおして、だれかの役に立ちたいと思う。とくに若者はそうだ。

しかし、戦後60年の企業社会は、行き過ぎた経済合理によって、労働を経済的文脈の中でしかとらえられなくなった。

「働きかけることによって学ぶ」という労働の本質、労働の教育的側面は捨象され、若者を交換可能なパーツ労働力としてのみ扱うことで、労働をとおした社会の継承が危機に陥っている。

そこには、自分が技能や技術を身につけ、日々成長していく実感がない。

しかし農山村では「ここで生きていく」ための地域の継承そのものが仕事である。生産と生活が分離せず、仕事と暮らしが一体になっている農山村という歴史的な空間。そこには、山や川、一枚一枚の田や畑など、地域の自然に働きかけ、働き返される労働をとおして形成された、個性的な技術や技能がある。

それらを継承していくなかで、若者たちは自らを発見し、自らの成長を実感する。

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